CKDの
食事療法を学ぶ
食事のポイント Vol.1
慢性腎臓病の食事について
慢性腎臓病の食事についてわかりやすく専門の先生が解説します。
監修:
一般社団法人腎臓・代謝病治療機構代表
東京医科大学名誉教授
中尾 俊之先生
①慢性腎臓病の食事のポイント
・慢性腎臓病(糖尿病性腎症を含む)の食事
腎臓に負担をかけない食事が原則となります。
そのためには、
・たんぱく質を抑える(老廃物を抑える)
・適切なエネルギーを確保する(エネルギー不足に気を付ける)
・塩分を抑える(高血圧の予防)
が大切になります。
②食事療法の第一歩
・食事療法は、食品を計量することから始めましょう。
・そのためには、3つの計量器具をそろえましょう。
食事療法を正確に行うために、計量することを習慣づけましょう。
・食事記録をつけましょう。
何をどれくらい食べたのか、記録をつけましょう。
③食品の選び方
たんぱく質
・主食(ごはん、パン、麺類など)に含まれるたんぱく質を控えましょう。
主食にはたんぱく質が多く含まれます。まずは、主食を低たんぱく食品にかえてみましょう。食事療法が継続しやすくなります。
⇒ CKDの食事療法を学ぶ「なぜ、『たんぱく質の制限』が必要なの?」
・質の良いたんぱく質を選びましょう。
動物性のたんぱく質は、体に必要なアミノ酸をバランスよく含むため、質が良いとされます。
動物性たんぱく質
植物性たんぱく質
摂取たんぱく質の60%を動物性たんぱく質で補うのが望ましいかたちです。
(豆・大豆製品は植物性たんぱく質ですが、動物性たんぱく質と並んで質の良いたんぱく質です。)
食品に含まれるたんぱく質量を知りましょう。
食品名 | 分量(目安量) | たんぱく質量 | |
180g(茶碗1杯) | 4.5g | ||
60g(6枚切り1枚) | 5.6g | ||
30g(1個) | 3.0g | ||
240g(1玉) | 6.2g | ||
170g(1玉) | 8.2g | ||
200g(コップ1杯) | 6.6g | ||
20g(1切れ) | 4.5g | ||
50g(M1個) | 6.2g | ||
40g(薄切り2枚) | 7.2g | ||
40g(薄切り2枚) | 7.7g | ||
40g(1本) | 9.2g | ||
70g(1切れ) | 15.6g | ||
70g(1切れ) | 12.3g | ||
30g(3切れ) | 6.8g | ||
50g(1/6丁) | 3.3g | ||
40g(1パック) | 6.6g |
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
女子栄養大学出版部「調理のためのベーシックデータ」(第4版)
主婦の友社「目で見る80キロカロリー食品ガイド」
質の良いたんぱく質を摂るために、主食からのたんぱく質をできるだけ減らして、動物性たんぱく質を摂るように心がけましょう!
⇒ CKDの食事療法を学ぶ「食品成分表を見ながら低たんぱく食事療法を深く理解しましょう」
エネルギー
・糖質と脂質を活用して、たんぱく質を抑えながら、エネルギーを確保しましょう。
塩分
・調味料に含まれる塩分量を知りましょう。
・減塩のコツを知りましょう。
参考:日本食品標準成分表2015年版(七訂)