おいしい365日とは

製品のご案内

CKDの食事療法を学ぶ

作ってみようおいしいレシピ

介護・高齢者食事のポイント

お知らせ

食事のポイント

ゆめ通信温故知新 Vol.1

「ゆめごはん」の開発・製造 その1

弊社の低たんぱく食事療法に関する情報誌「キッセイ ゆめ通信」において、低たんぱく質ごはんの「ゆめごはん」誕生のきっかけや、発売に至るまでの開発秘話、品質への取り組み等について特集いたしました。
その内容を2回に分けてお伝えいたします。

※本記事は2015年9月に発行された「キッセイ ゆめ通信No.41」の特集記事を再構成したものです。

「ゆめごはん」を開発・製造する亀田製菓株式会社 お米研究所(現お米総合研究所)様に、「ゆめごはん」の開発・製造についてご執筆いただきました内容を紹介いたします。

亀田製菓社屋

<会社概要>
亀田製菓株式会社
所 在 地:新潟市江南区亀田工業団地
業種:米菓、スナック、米飯等の製造、販売
主な製品:亀田の柿の種、ハッピーターン、ぽたぽた焼 等
1957年8月…亀田製菓株式会社設立
1994年10月…「ゆめごはん」の発売

会社紹介

「亀田の柿の種」等を手がける亀田製菓株式会社は、宮尾登美子の小説「蔵」の舞台となった新潟県の農村地帯の一画、亀田町に設立されました。その設立の原点は、戦後の極端な物不足の中で、日本中がまだ貧しかった時代、これからの日本を背負ってくれる子供達や女性達に、ささやかながらも喜んで食べてもらえる物を作ってあげたい、という社会的信念です。

弊社は米菓を通じて、お客様に「美味しさ」「楽しさ」を提供し、「夢」を語り続けてきました。ただ、日本の米菓市場はいずれ限界がくることが想定され、新規事業の立ち上げが経営課題となっていました。そのため、来るべき超高齢化社会に向けて「健康」を基軸とした米にまつわる新規事業の検討に入っていました。日本人の健康維持や生活習慣病の予防、さらに慢性疾患患者のQOLの向上に寄与するお米を利用した食品の開発を目指しました。その一つがお米の乳酸菌飲料です。

「ゆめごはん」誕生のきっかけ

1992年新潟県食品研究所(現新潟県農業総合研究所食品研究センター)に研究員を派遣し、お米を有効活用するための技術開発と微生物活用・管理技術の習得に取り組みました。

ここで、お米の乳酸菌飲料開発を行っていたある日、浸漬した精白米を丸粒のまま発酵したところ、米が非常にもろくなっていました。発酵液を分析すると、遊離アミノ酸が大変増えており、米中のたんぱく質は通常の3分の1程度まで低下していました。米中のたんぱく質が乳酸菌の作用により分解され、米の外側に溶け出していた訳です。これが「ゆめごはん」誕生のきっかけになります。

低たんぱく質ごはんのニーズは、医療の現場からもたらされました。当時、慢性腎臓病患者の主食に多用されていた「でんぷん米」に代わる、通常のごはんに近い低たんぱく質米の依頼があり、開発者と情報交換がなされました。話し合いのなかで、「低たんぱく質米が世に出たら、慢性腎臓病患者さんの食事療法は一変する。」このときの会話が、新規事業として、低たんぱく質米開発に邁進するきっかけになりました。

「ゆめごはん」の発売まで

実際の開発は、苦難と試行錯誤の連続でした。色々な課題を抱えていました。
まず低たんぱく質化するのに乳酸発酵だけだと余りにも長時間を要しました。長時間の発酵は、作業効率が悪いのと雑菌増殖のリスクをはらみました。そこで、乳酸菌だけではなく、酵素(たんぱく質分解酵素)の利用を思いつきました。百種類近い酵素を片っ端から試した結果、現在も使用している最適な酵素に行き着きました。

さらに難しかったのは、工場のライン化です。たんぱく質を除去したお米は、非常にもろく、ちょっと触るだけでも粉々に砕けてしまいます。砕けてしまったお米は、べたつき気味で食味は大変まずく、食べられたものではありません。この課題解決のために、反応米にダメージを与えずソフトに排出する当社独自の方式と二度蒸し製法を開発しました。

最も苦労したのは、食品として一番重要な「おいしいごはん」を炊くことです。来る日も来る日もラインの試作と改造を繰り返し、日本で初めての個食方式の蒸し機を開発したことで、おいしい低たんぱく質ごはんを実現しました。

開発と併行して、東京女子医科大学病院、東京医科大学病院、信楽園病院の3か所の病院で臨床試験を行いました。臨床試験の結果は良好で、1994年10月3日(大安)に予定通り発売できました。名称は、臨床モニターから、「完成すればゆめのようなごはん」と高く評価されたことから、「ゆめごはん」と名付けられ、患者さんと医療関係者の「夢」をのせた商品となりました。


橘愛

次回は、「ゆめごはん」のおいしさ・安心・安全へのこだわり、ゆめごはんの製造工場の様子についてご紹介いたします。どうぞお楽しみに!

キッセイ食事サポートサービスでは皆さんの食事に関する不安やお悩みにお答えしております。ご質問などございましたら

キッセイ食事サポートサービス

フリーダイヤル0120-515-260

(受付時間 9:00~17:00 土・日・祝日を除く)

へお気軽にご相談ください。

「キッセイ食事サポートサービス」について詳しくはこちら

※医療従事者が行う個々の病態・栄養状態の評価や治療方法についてのお答えはいたしかねます。