CKDの
食事療法を学ぶ
栄養の基本 Vol.1
三大栄養素について
三大栄養素とは、エネルギーの原料になる栄養素であるたんぱく質、炭水化物、脂質の三つの栄養素のことです。
- 炭水化物は穀類、いも類に多く含まれ、主にエネルギーになります。
- 脂質は、油脂、バター、マヨネーズなどに多く含まれ、エネルギーになるほか、細胞膜やホルモンの原料になるなど重要な働きがあります。
- たんぱく質は、肉、魚、卵、乳、大豆などに多く含まれ、筋肉、内臓、皮膚、血液などの構成成分として重要で、体を作ったり、酵素やホルモンなどになったりして、体がうまく機能するために重要な働きをしており、余ったたんぱく質はエネルギーになります。
◆エネルギーになったときの違い
三大栄養素は体内で燃えると、炭水化物とたんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーに、脂質は1g当たり9kcalのエネルギーになります。たとえば、砂糖10gを摂ると40kcal、サラダ油10gを摂ると90kcalのエネルギー源になります。
炭水化物、脂質はエネルギーとして燃えた時に、水、二酸化炭素ができるだけです。
一方、たんぱく質がエネルギーとして燃えたときに、水、二酸化炭素だけでなく燃えカスの窒素化合物(尿素窒素、尿酸など)を作ります。
◆腎臓病とたんぱく質
腎臓が悪くなると、たんぱく質がエネルギーとして燃えたときに発生する燃えカスの窒素化合物(老廃物)などを体外に出す力が弱くなるため、体内に溜まりやすくなります。老廃物が体内に溜まってくると、老廃物を体外に出すために腎臓に負担がかかったり、尿毒症症状が現れたりと、体に様々な悪影響を与えます。この悪影響を減らすためには、老廃物の原因物質であるたんぱく質摂取量を減らす必要があります。
しかし、たんぱく質には「細胞を作る」という大切な働きがあります。細胞はたんぱく質を原料に毎日作りかえられているので、その分は食べ物から摂らなくてはなりません。ただし、必要以上のたんぱく質はエネルギーとして燃え、老廃物が出てしまいますので、必要以上のたんぱく質の摂りすぎには注意しましょう。