CKDの
食事療法を学ぶ
外食・中食の楽しみ方 Vol.2
中食の楽しみ方
惣菜、寿司、おにぎり、サンドイッチ、弁当などをスーパー、コンビニエンス・ストア、デパ地下などで購入したり、ピザなど宅配によって調理済みの食品を自宅で食べることを「中食(なかしょく)」と言います。
飲食店などで食事を摂ることを外食と呼び、家で材料から調理した料理を食べることを内食(うちしょく)と呼び、中食はこの2つの中間的な食事形態であることから中食と呼ばれるようになりました。調理の手間がかからず、価格も外食より手頃であったり、家事の手間や負担を軽減する目的で中食を利用する傾向にあるご高齢者や独居世帯が増えたことから、中食の市場規模も年々大きくなっています。
腎臓病の食事療法でも、ゆめごはんをはじめとする治療用特殊食品を組み合わせることで、中食を上手に利用することができます。
■中食を利用するポイント
【1】1食分の「たんぱく質の目標摂取量」を把握する
1食のたんぱく質量は、1日のたんぱく質量の1/3を目安に組み合わせましょう。主食がごはんの場合はゆめごはんを用いれば、外食より少なくとも主食に含まれるたんぱく質だけは抑えられます。
【2】中食の栄養成分値を確認する
包装されているものは栄養成分値(特にエネルギー、たんぱく質、食塩相当量)が記載されていますので確認しましょう。食塩相当量ではなくナトリウムで記載されている場合は、ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)で換算することができますが、ナトリウム200mg=食塩相当量0.5gと覚えておくと便利です(2020年4月以降は食塩相当量の表示が義務化されます)。
カリウムは記載されていないことがありますが(カリウムは任意表示)、たんぱく質を多く含む食品にはカリウムが多く含まれますので、たんぱく質量に注意することで摂り過ぎを防ぐことができます。スーパーなどでバイキング形式で販売されている惣菜は、包装されていないので栄養成分値が不明確ですが、目安を把握しておけば大幅な過剰摂取を防ぐことができます。お店によって具や味付けに差がありますので、あくまでも目安としてご覧ください。
中食の栄養成分値の目安
メニュー名 | 重量 | 目安量 | エネルギー | たんぱく質 | 食塩相当量 |
鮭のおにぎり | 115g | 1個 | 186kcal | 4.6g | 1.4g |
ツナマヨネーズのおにぎり | 115g | 1個 | 219kcal | 4.1g | 1.1g |
明太子のおにぎり | 110g | 1個 | 185kcal | 3.9g | 1.2g |
いなり寿司 | 155g | 3個 | 349kcal | 12.2g | 2.1g |
卵のサンドイッチ | 130g | 1パック | 367kcal | 11.8g | 1.2g |
ツナのサンドイッチ | 90g | 1パック | 271kcal | 8.8g | 1.0g |
さばの味噌煮 | 120g | 2切 | 376kcal | 26.7g | 2.2g |
あじフライ※1 | 90g | 1枚 | 280kcal | 16.5g | 0.8g |
鶏肉のから揚げ | 100g | 1パック | 259kcal | 17.4g | 1.5g |
焼き餃子※2 | 150g | 5個 | 323kcal | 11.6g | 2.6g |
メンチカツ※1 | 85g | 1個 | 285kcal | 10.6g | 0.7g |
クリームコロッケ※1 | 70g | 1個 | 292kcal | 5.1g | 0.7g |
揚げ出し豆腐 | 240g | 1パック | 227kcal | 11.8g | 1.4g |
ポテトサラダ | 100g | 1パック | 149kcal | 1.4g | 0.9g |
春雨サラダ | 100g | 1パック | 105kcal | 2.4g | 1.2g |
コールスローサラダ | 125g | 1パック | 187kcal | 2.8g | 1.9g |
野菜サラダ※3 | 105g | 1パック | 37kcal | 1.6g | 0.1g |
※1 ソース含まず ※2 たれ含む ※3 ドレッシング含まず
引用:「毎日の食事のカロリーガイド 第3版」(女子栄養大学出版部)
「塩分早わかり 第4版」(女子栄養大学出版部)
【3】食べる量を半量にするなど「残す」ことも大切です
上表の通り、肉や魚のおかずはたんぱく質や塩分が多くなりがちですので、半量にするなど残すことも必要です。副菜はたんぱく質が少なく、ドレッシングなどで塩分が調整できるメニューと組み合わせる工夫をするとよいでしょう。
【4】エネルギー不足に注意する
肉や魚を半量にするとたんぱく質は目標値に抑えられてもエネルギーが不足してしまうことがあります。エネルギー不足にならないために、カップアガロリーなどのエネルギー補給食品を利用してエネルギーをしっかり確保しましょう。
いかがでしたか?
食事療法は毎日のことですので、時代のニーズを上手に活用して、たまには息抜きをしながら継続してください。