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市民公開講座「食事から考える腎臓病」より

お客様からのご質問 Vol.2

2018年4月29日に東京で市民公開講座「食事から考える腎臓病」が開催されました。 講演において、お客様からいただいた慢性腎臓病の食事療法に対する質問に座長、演者の先生にご回答いただきましたのでご紹介いたします。

座長:国立大学法人浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部 病院教授 加藤 明彦 先生
演者:医療法人永仁会 永仁会病院 腎センター長 松永 智仁 先生
演者:医療法人永仁会 永仁会病院 診療技術部 栄養管理科 科長 瀬戸 由美 先生



ご質問
質問者(おじさん) クレアチニン(Cr)、BUNの値をどうみればいいのですか?
回答
回答者(男性) Cr 上がったり下がったりを気にされますが、筋肉量の状態で変動する数値なので、必ずしも腎臓の状態を示している訳ではありません。大切なのは推移をみる事。月単位、年単位でどう動いているかが重要です。肉体労働すると一時的に上がるので、毎回の変動に大きくとらわれないこと、変動の原因が判ればいいです。血圧の薬の中にもCr値を上げる薬があるので、薬を飲んでいる方は、かかりつけの先生に確認してください。
BUN 脱水の影響で上がる、利尿剤の影響で相対的に脱水状態になり上がる、出血で上がる、ステロイドで低下する等変動しますので、大きな変化の無いなかで動いているかをみることが大事です。値だけで一喜一憂しないようにしてください。



ご質問
質問者(おじいさん) 腎機能は良くなるのですか(腎臓病が改善するのでは)?
回答
回答者(男性) ネフロンの数が減ってくることが慢性腎臓病の進行です。長い目で見て腎臓は回復しない臓器で、加齢でも機能が低下します。食事で加齢は止められません。少しずつ進行していくものです。個人差はありますが食事療法で進行の速度を抑えられることがあります。高齢者に多い腎硬化症は進行がゆっくりした疾患なので、食事療法を取り入れることで透析に入らずいければいいです。 それでもどこかの時点で透析に入ります。それまでの期間に、いかに自分自身が納得した治療をしたか納得して欲しいですし、主体的に治療に取り組み、最終的に次のステップの治療法に行くんだと積極的に捉えていただきたいです。



ご質問
質問者(おばさん) 足りないエネルギーは炭水化物から摂る方がいいのか、油から摂る方がいいのですか?
回答
回答者(女性) 糖質でしっかりエネルギーを摂ることです。ごはんをしっかり食べられる、量をしっかり食べられるかが、長い食事療法を継続できるかどうかのカギになります。日本人の食生活で大量の油を使うことは難しいので、ごはんをチャーハンにして油を使う、マクトンを混ぜる、パンにバターを塗る等は無理なく油を摂取できる方法だと思います。



ご質問
質問者(おばあさん) カリウム(K)を控えるには、茹でこぼし、水さらしでどれだけ減らせるのですか?
回答
回答者(女性) 原疾患によってKが上がりやすい人、上がりにくい人がいて一概ではありません。Kは野菜だけなく全ての食品に入っています。生の野菜、果物、さしみ等、生の食品には多いです。茹でることでKを10%くらい減らすことができますが、全ての野菜を茹でると水溶性ビタミンが流れ出てしまいます。茹でることも必要、生も必要、でも沢山は食べられません。
 
回答者(男性) 体が酸性側に傾くとKが上がりやすくなります。採血結果のナトリウム(Na)値(正常値:135~145mEq/L)からクロール(Cl)値(正常値:97~105 mEq/L)を引いて、値が36未満であれば血液が酸性に傾いている可能性があります。



ご質問
質問者(おじさん) 食品表示でカルシウム(Ca)、リン(P)の表示はされるのですか?
回答
回答者(女性) Pは食品添加物で入れているものも多く、業界団体から表示が要望されていると思いますが、いつ実現されるかはわかりません。Caは特定保健用食品で表示義務のあるものがありますが、腎ではCaは今のところ不要です。成分表示のないものは、似たような食材で類推することができます(春巻きの皮の代わりに餃子の皮の値を目安とする等)。



ご質問
質問者(おじいさん) 筋肉量は良く動いているときにも減っていくものなのですか?
回答
回答者(男性) 体脂肪計で筋肉量がみられます。腎が悪くなるとむくみがでて、筋肉量を過大評価してしまうことがあるので注意が必要です。加齢変化(筋肉の合成機能が低下)には運動(散歩程度)をしっかり行ってください。Crは変動の中で見ていくものなので、グラフをつけると推移がわかります。急激な変化があった場合は原因を考えてください。45歳を超えると毎年1%筋肉が落ちます。風邪を引いて1日寝込むと1%減少するので、1日寝込むと1年歳を取ったのと同じになるので、しっかり動いていただきたいです。



ご質問
質問者(おばさん) 透析に入らないためのたんぱく質量0.6g/㎏/日以下は標準体重からの算出ですか、実際の体重からの算出ですか?
回答
回答者(男性) 標準体重です。



ご質問
質問者(おばあさん) 水分の良い補給方法はありますか?
回答
回答者(男性) がぶ飲みは避けて、こまめに水分は補給してください。できれば寝る前、夜中に起きた時にも摂ってください。尿量の上限は60%以上の腎機能でしたら1日3000cc以上でも大丈夫ですが、60%未満の場合には1日3000cc未満が目安となります。



ご質問
質問者(おじさん) 蛋白尿は病院の定期検査で確認すれば良いのですか?
回答
回答者(男性) 蛋白尿は変動します。血液検査と一緒に2ヶ月(1ヶ月)に1回で良いです。減ってる増えているの経過を見ながらで良いです。